少子化に対して

 昨日、安倍首相は例年通り年頭記者会見を行いました。

 第2次安倍政権になってから7年目となりますが、デフレ解消、経済成長率2%などの目玉政策はいまだ達成されず、それどころか昨年末からの株価の暴落で、唯一の取柄ともいえる株高にもいよいよアベノミクスの馬脚を表してきているところです。

 にもかかわらず、相も変わらずに旧民主党政権との比較を都合のいい数字だけ取り上げて言い訳ばかりしている会見だったと感じます。

 

 逆に民主党政権の目玉政策を揶揄してバラマキ4Kと目の敵にしてきた政策は、子ども手当、高校教育無償化、農家戸別所得補償制度、高速道路無料化でしたが、この内、農家戸別所得補償制度は名前を変えつつ金額も半額の7,500円だったものも作年からは0円となり、不作の影響もあり農家への打撃は非常に大きくなっています。

 また、子どもに対する子ども手当は、児童手当に戻され減額されて存続されていますが、民主党政権が当初掲げた月26,000円とは半分以下の、子どもを産み育てようというインパクトのある政策にはなりえていません。

 高校授業料無償化にも、特に自民党からのバラマキ批判が根強かったところですが、何とか継続されてきており、それに加えて安倍政権は、今年は幼児教育無償化を進めようとしています。

 

 以下は昨日の会見内容の一部ですが、・・・

 

 60年前の亥(いのしし)年、日本は、本格的な高度成長へ正に踏み出そうとしていました。そうした時代の変化を先取りし、先人たちはこの年、国民年金法や最低賃金法を成立させ、現代にまで受け継がれる社会保障制度への礎を築きました。 60年後の今、我が国では、少子高齢化が急速に進んでいます。正に国難とも呼ぶべきこの課題に、現代の私たちもまた真正面から向き合い、未来への改革を進めなければなりません。 本年10月から幼児教育を無償化いたします。戦後、小学校・中学校9年間の普通教育が無償化されて以来、70年ぶりの大改革です。来年4月からは、真に必要な子供たちの高等教育も無償化し、生活費などをカバーする十分な給付型奨学金を支給します。安倍内閣は、次代を担う子供たちの未来に大胆に投資していきます。 その財源となる消費税の引上げについては、前回の反省の上に、本年、頂いた消費税を全て国民の皆様にお返しするレベルの十二分の対策を講じ、景気の回復基調をより確かなものとしてまいります。

 

引用終り・・・

 

 70年ぶりの大改革というなら、高校授業料の無償化は戦後60年の大改革だったことになると思うのですが?

 やろうとしていることにはむしろ進めるべきと思いますが、その前に進めるべき、待機児童の解消政策や国立大学の授業料値下げなどには手を付けず、結局は、経費が掛かりすぎる子育てそのものへの対策もないまま、ただ、消費増税の隠れ蓑にされている所が残念です。

 

 子育て、教育はじめ社会保障に関しては金銭支給ではなく、サービスを支給することに切り替えていく事が、はるかに優れているのですが、今のままでは国家財政も地方財政も拡大の一途となるだけの始まりと考えます。