中々暖かくなりません

 6月も残り4日となっているというのに、曇り空の雨が降る寒い日が続いています。

 本州の梅雨前線もまだまだ活発で、今年の夏の先行きも不透明です。

 

 イギリスでは国民投票によりEU離脱派が過半数となり、離脱が決定されました。

 金曜日には日経平均株価が一気に1,300円近く下がる状況となりましたが、英国発の事柄が日本経済に与える影響が懸念されます。

 

 EUについて、逢坂誠二衆議が極めて大切な指摘をされていますので引用させていただきたいと思います。

 

以下引用・・・

 

EUの取り組みは、国家のあり方を大きく見直す、極めて挑戦的なものだ。

ただ私は、EUには、一つの大きな欠陥があると思っている。

それは財政調整の仕組みがないことだ。

EUを、地方交付税制度のない日本だと考えれば分かりやすい。

47都道府県が、それぞれのEU加盟国だ。

通貨は一緒、財政は別。

(まさに日本の都道府県がそうだろう。)

地理、気候、産業構造などが違い、どんなに努力しても、各地域の経済状態が同一になることはない。

そうなれば各地域の財政に濃淡が生ずる。

日本だと、地方交付税という財源を調整し保障する仕組みで、この濃淡を薄めている。

EUには、この仕組みがないため、各国家間の財政は、何らか特別の手当てをしないと、この濃淡を薄めることができない。

 

通常の個別国家は、通貨が違う上、関税も存在する。

経済の弱い国家の通貨は、一般的に安い。

それはかつての日本がそうだったように、輸出に有利だ。

これによって外貨を稼ぐことのできる可能性が高まる。

逆に経済の強い国家の通貨は、一般的に高い。

これは、輸入に有利だ。

そうなれば経済の強い国は、自国の富を海外に流出させる場面が多くなるかもしれない。

通貨の違いと関税の組み合わせによって、自国経済と財政を、少しでも防衛できる可能性が高まる。

同一の通貨を使い、関税のないEUには、この機能は働かない。

ここがEUの悩ましいポイントの一つだ。

 

主権国家とは、自国内のことについては、自国で決められることだ。

EUなどに加盟することは、自国内の問題であっても、他国と協議しなければ決められない分野が増えることになる。

自国内のことなのに自国だけでは決められない。

これがこうしたEUなどの課題になる。

(TPPにもそうした側面がある。)

国民の意に沿わないEUの決定に関しては、自分の国のことなのに何故決められないのかという不満が国民の中に募ることになる。

主権の制限、これもEUの悩ましいポイントの一つだ。

今回のイギリスのEU離脱は、この主権の制限に関する不満や

移民問題などにかと思うが、今回のEUの問題は、国家と民主主義を考える上で、実に多くの示唆に富んでいる。

 

引用終り・・・

 

 参議院選挙公示から6日目となっており、各地で論戦が繰り広げられていますが、EU問題が今後どのように影響するのか?

 少なくとも、英国のEU離脱がリーマンショックとはまた異質のものだということは認識しておくべきと考えますが、金融資本やマネーゲームで経済を動かすような政策がいかに脆弱で、足腰がもろい事かが証明されていると思います。

 

 人づくり、地域にしっかりと腰を据えた政策の実現が、今こそ求めらえているのです。