総務文教常任委員会が終わりました

 22日の臨時会で委員会付託され継続審査となっていた国民健康保険税に関する市税条例改正案の審査が今日行われました。

  国民健康保険制度は誰もが安心して医療を受けられる国民皆保険の根幹となるすぐれた制度となっていますが、社会・人口構成の急激な変化や生産人口減少により、税収確保には各市町村とも非常に苦慮している所です。

 また、滞納者が固定化する傾向も強まっており、納税者からの不公平感も大きく募る結果となっているのが現状です。

 更に、課税限度額が2年連続引き上げられる結果となり、国保分、後期高齢者医療分、介護保険分の合計が一昨年77万円だったものが、昨年81万円、今年は85万円と8万円もの値上げとなっていることも高額所得者層からも非常に大きな負担感を持たれる結果となっています。


 委員会審査は10時から開かれ、午前中に質疑を終了し、採決、その後に、常任委員から連盟で、決議案が提出され、常任委員会として議会に決議案を提出する事を決定し、委員会を終えました。

 決議の内容は下記の通りです。

 

国民健康保険制度の安定に向け十分な議論を求める決議

 

 国民健康保険制度は、だれもが安心して医療を受ける国民皆保険の根幹となる、世界に誇る日本のすぐれた制度であるが、その運用は市町村単位であり、高齢化の進行で社会人口構成の急激な変化が進む自治体にとってその財政運営に大きく影響を与えている。

 この制度の持つ互助の精神は毎年の保険税収でその年の医療費を賄うことが原則であるが、国民健康保険の被保険者は他の保険に比べ高齢者や低所得者が多く、その構成上、収入が伸び悩み、年々医療費は伸び続け支出は増大を続けている。

制度維持のため大きな負担を被保険者に求めざるを得ず、結果として、国保税は他の税金や保険料と比べ納税者にとって負担感の大きいものとなっている。

深川市においては、3年続けての農業所得の安定があったものの、昨年急激な米価下落により所得が予想以上に低下している農業経営者や、市内の景気回復に兆しが見られない事業経営者にとって、その税負担は2年間で上限額計8万円の値上げを始め極めて重くのしかかっている。

また、農業者のほとんどがその年の経営状況に関係なく、いわゆる組勘で納付されている状況にあることからほぼ100%の納付率となっており、他の滞納者との格差が固定化していることによる不公平感も募っており、収納対策は一層の配慮が求められる。

 さらに、深川市においては財政難を理由とした一般会計から国保会計への財政安定化支援繰出金が、平成14年度以降、地方交付税算入額を大きく下回り、その累計は平成21年度までにおよそ33,500万円となっており、このことが当時4億円に及ぶ残高を保有していた国保事業準備基金残高が1,800万円ほどまでに減少している要因ともなっており、一般会計からの安定的で適切な支援対策が求められる。

 よって今後、国保制度のあり方、税負担のあり方について、被保険者である市民、保険者である市、議決機関である議会が一体となって、より公平感の高い国民健康保険の税条例となるよう十分な議論を求めるものである。