安倍内閣が閣議決定

 1日、安倍内閣は、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認の閣議決定を行い、夕刻記者会見の形で発表しました。

 

 記者会見で発表するのは安倍内閣の常套手段ですが、なぜこの発表を堂々と国会の場で行わないのでしょうか?

 周到に用意された原稿を読みあげ、記者からの質問に対し、都合の悪い部分には全く答えず(追及もさせず)、会見も早々に切り上げてしまいました。

 

 太平洋戦争の深い悲しみと反省から、人類の英知ともいえる日本国憲法のもと、戦争によって一人の戦死者も出さず、一人の外国人も殺さずに来たことは、多くの日本人にとって、世界に向けて誇ることのできるかけがえのないことです。

 その誇りが、上から目線でしか見れない方の誇りのために、過去のものに葬り去られてしまうのです。

 

 更に、憲法を遵守し、擁護する義務を課せられているのは、憲法99条に規定されています。

99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」

 

 「その他の公務員」とあるので、当然、すべての公務員がここでいう「憲法尊重擁護義務」を負っていますが、とりわけそこに名指しされている「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官」という国の中心的な権力を委ねられた者については、「その他の公務員」に率先して、この義務に忠実であることが求められているのです。

 国務大臣のトップは言わずと知れた『内閣総理大臣』ですが、憲法で禁止されている集団的自衛権の行使が、総理にとって都合が悪くなると、憲法解釈を自分の都合のいいように勝手に変えて「自分は憲法を尊重している」と言っているのです。

 

 憲法は国民から為政者に対して渡された決まり事です。

 その決まり事を、

『国民に何の確認もしないで、憲法の決まりを守らなければならない側の、国務大臣(総理・閣僚)や、国会議員(自民党・公明党国会議員)が、自分たちの判断だけで議論を積み重ねて来た』

事が今回の閣議決定です。

 

 憲法に基づいて与えられた権能を行使する者が、憲法を自分の都合のいい解釈を重ねるのであれば、その解釈自体重大な問題であると共に、そのような行為そのものが『立憲主義』の否定で、国際的にも歴史的にも容認されるものではありません。

 

 戦争をしない、仕掛けない国、世界中に平和を求める国、日本・・・この誇りを根底から覆される、この思いに背筋を凍らせる思いです。

 何とかしなければ!の思いですが、地道な国民一人ひとりの行動を進めて行くしかありません。