TPP交渉の公約ではなかったのか?

 6日のインドネシアで開かれているAPECの場で、自民党TPP対策委員長の西川氏が、重要5品目について関税撤廃の検討を進めることに言及しています。

 

以下引用・・・

 

TPP(環太平洋経済連携協定)について、自民党の西川TPP対策委員長は、「聖域」としてきた米など重要5項目について、7日朝、記者団に対し、あらためて関税を撤廃できるか検討する考えを示した。
西川TPP対策委員長は「全て守ることを前提にやっています。その中で、どれとどれを守ればいいか。それを精査しますと」と述べた。
インドネシアで行われた閣僚会合にからみ、現地を訪れていた自民党の西川TPP対策委員長は「政策転換ではない。重要品目を守るということで、何の変わりもない」と強調した。

 

引用終り・・・

 

 日本が重要5品目と位置付ける農産品は、関税上は586の品目に細分化されていて、これらをすべて例外にすれば、日本の自由化率は93.5%にとどまりますが、西川委員長らはより高度な自由化率とされる95%以上としていく一環の発言なのでしょうか?

 

 自民党は先の参議院議員選挙公約で

 

国益にかなう経済連携

●TPP等の経済連携交渉は、交渉力を駆使し、守るべきものは守り、攻めるべきものは
 攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求します。

 

 さらに、Jファイル2013 総合政策集で

 

国益にかなう経済連携の推進
163 自由貿易への取組み
 自由貿易の推進は、わが国の対外通商政策の柱です。WTOドーハ・ラウンド※交渉の早期妥結に向け、引き続き取り組んでいきます。その際、農業交渉等については、各国の持つ多様な農業の共存や林・水産資源の持続的利用が可能となるルールの確立を目指します。
 また、EPA/FTA・地域協定等の経済連携に関しては、国益に即して、メリットの大きなものについては積極的に推進するとともに、これによって打撃を受ける分野については必な国境措置※を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じます。
 TPPに関しては、安倍総理が日米首脳会談において、TPP交渉では、「聖域なき関税撤廃」が前提とされるものではないとの確認を行い、その後、交渉参加を表明しました。
 我々は、交渉力を駆使し、わが国として、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求します。特に、自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要5品目等やこれまで営々と築き上げてきた国民皆保険制度などの聖域(死活的利益)を最優先し、それが確保できない場合は、脱退も辞さないものとします。そのためにも、政府・与党が緊密に連携し、一体となって交渉を進めます。
・ 自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)等の聖域を確保する。
・ 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
・ 国民皆保険制度を守る。
・ 食の安全・安心の基準を守る。
・ 濫訴防止策等を含まない、国の主権を損なうようなISD条項※は合意しない。
・ 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

 

となっていますが、もう既に反故にされた内容だらけです。

 

 これは、民主党政権をウソツキ呼ばわりしていたことと、どこが違っているのでしょうか?

 『撤退も辞さない』とは、撤退はあるのか?無いのか?

 撤退など考えにも無いと認識すべきなのか?

 極めて少ない情報の中でも、全くの前のめりと言わざるを得ないと考えますが、農業者の皆さんはもちろん、農業を産業の基盤としている深川市、北海道にとってはまさに正念場の所となっています。

 

 今こそ、農業関係者だけでなく、地域から政府に対するアピールの場をつくっていく時です。